犬は好きですか。犬を飼ったことはありますか。
では、捨てられたり迷子になった犬たちがどのような運命をたどるのか、考えたことはありますか。
こんな問いかけから「ただのいぬ。プロジェクト」は始まりました。
「ただのいぬ。」とは、保健所や動物愛護センターと呼ばれる施設に収容され、飼い主が迎えに来なかった犬たち。その多くが悲しい運命をたどりますが、一部が動物愛護の観点から希望者に譲り渡されています。彼らは、名も無き「只の犬」であり、また「無料の犬」でもあります。
2001年、雑誌の取材をきっかけにピエブックスより写真集『ただのいぬ。』が出版され、2005年に世田谷文化生活情報センター 生活工房で写真展「ただのいぬ。展」を開催。来場者数は5,000人を超え、あまりの反響の大きさから、以後継続的な活動を続けていくこととなりました。写真家の服部貴康、クリエイテイブディレクターの小山奈々子が中心となって「ただのいぬ。プロジェクト」は新たな一歩を踏み出したのです。
捨て犬や迷子犬の存在を写真やデザインの力で多くの人々にわかりやすく伝え、人と犬との関係や、社会のあり方を見つめ直そうとするアートプロジェクト、それが「ただのいぬ。プロジェクト」です。
05年の「ただのいぬ。展」、06年に続編とも言える「Do you have home?展」を開催。07年からは世田谷保健所と共同で犬鑑札のデザインリニューアル事業に取り組み、その成果として「犬の鑑札リデザイン展」、08年の「ただしいいぬ。展」を開催しました。また同年3月には初の巡回展となる「ただのいぬ。展in島根」を島根県立美術館で開催し、「ただのいぬ。」をめぐる輪は確実に広がりを見せています。
「ただのいぬ。プロジェクト」は、すべての「ただのいぬ。」たちに新しい名前が付けられ、あたたかな家庭で暮らせる日が来ることを願い、今後も様々な活動に取り組んでいきたいと考えています。
ただのいぬ。プロジェクト